Spoon 「Underdog」

My Rate : ★★★★
 2004年、「アメリカン・ドリーム」という名の幻想から取り残された多くの人々に、「俺達は流れていける。大丈夫」と、破れかぶれに、しかし物悲しく歌ったモデスト・マウスの名曲「Float On」。あの曲は、ある種の諦念と、ささやかな、そして特に明確な根拠はつかめないままの儚い祈りのようだった。一方、Spoonの新作の先行シングルは、「アメリカン・ドリーム」という幻想に向かってあくせくし、そこから振り落ちた人々を軽蔑しようとする人間に対して、「へへッ」と笑いながら、皮肉の効いた挑発のジャブを放っている曲だ。


「君は留守電に出る暇もないし、
理解できないものを考えるようともしない。
君は負け犬を恐れたりしない。
そいつが君の失敗の理由なのさ」


ブリット・ダニエルのしゃがれ声と、ジョン・ブライオン・プロデュースによる妙に陽気なホーンが小気味よく決まり、この曲のテンションを高めている。「Float On」から3年。この2曲の距離がUSインディーの進んだ道。


Ga Ga Ga Ga Ga

Ga Ga Ga Ga Ga