Kanye West 「Stronger」

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「大学中退」、「履修登録遅延」と「落ちこぼれなへタレ大学生」路線を続けてきたカニエ・ウェスト。9月リリース(日本は8月?)の3作目は「卒業」。


…ひねりなさ過ぎ!


っていうか、中退したはずなのに、履修登録の話をしてみたり、挙句の果てにちゃっかり卒業してみたりと、筋通らなすぎだろー!


で、新作に先行して公開されているのが、「Can’t Tell Me Nothing」と「Stronger」。前者は、思いっきり前作の先行シングルの路線で、正直マンネリを感じてしまうが、続いて公開された後者は、Daft Punkの「Harder , Better , Faster , Stronger」をモロ使いし、「カニエもフレンチ・エレクトロの台頭に刺激を受けたか!?」と話題なっている。確かに、曲自体は機能的にはよく出来てるし、Daft Punkをネタに使ったところは、一見目新しく見える。


けれど、それはやはり「一見」止まりではないか。そもそも、「ほとんどマッシュ・アップに近いようなモロ使い」っぷりにしても、「白人ダンスミュージックへの接近」にしても、それはカニエの使っていた方法論ではないのだ。(前者の代表はデンジャー・マウス、後者の代表はティンバランド)したがって、どうもこの曲、「アイディア」の部分で他人のフンドシで相撲を取ってるようにしか見えてこないのである。


もちろん、既存の方法論に対する返答を試みたと捉えられるかもしれないけれど、それにしては、ちょっとライバルの手法をそのまんま流用しすぎでは?そして、決定的なのは、ネタ元がダフト・パンクという点。「Ed Banger周辺のフレンチ・エレクトロが盛り上がっている」からって「じゃあ、ダフト・パンク」っていうのは、ちょっと安直過ぎねえか?


と、悪くはないんだけど、違和感の方が先に出てしまう新曲。さあ、新作はどうなる。カニエ・ウェストは無事に卒業を果たすことができるのか!?(←そもそも、何から?)


「Stronger」 (色々気になるPVだけど、その中でも一番気になるのは、謎の日本語字幕、「ガソバレ!」…「ソ」、そんなこと言われても。)

「Can't Tell Me Nothing」


Graduation

Graduation