Cajun Dance Party 「Amylase」

<マジメVersion>
My Rate : ★★★★1/2
わずか16歳で、名門XL Recordingsと契約。7インチと配信限定となったシングル「Next Untouchable」がNME Track Of The Weekにいきなり選出。(もちろん、7インチは即ソールドアウト)さらに、NMEのグランストンベリーの特集号では、予習編「今年見るべき新人ランキング」でHadouken!に次ぐ2位。そして、復習編「グラストでよかった新人ランキング」では遂にHadouken!を蹴落として1位に。アルバムリリース前のArctic MonkeysKlaxonsがそうであったように、今年から来年にかけてもっともNMEの寵愛を受けることになるであろう5人組。いよいよ、初のCDリリースとなるシングル「Amylase」を8月下旬にリリース。プロデュースは、なぜかリバティーンズのいくつかのシングルも手がけた元スウェードのバーナード・バトラーが久々に顔を出して、手がけたらしい。


というわけで、NMEお得意の「Next Big Thing」認定を受けたCajun Dance Party。なぜ、ここまで期待されているのか。それは、詰るところ、「アートと文学の香りのするロックへ対する飢え」だ。The ViewやThe Enemyのようなアリーナ型に近いロックでも、Air TrafficやPigeon Detectivesみたいなポップ・ロック・バンドでも、Klaxonsみたいなダンス・カルチャーに接近したロックでもない、「アート・ロックっぽい佇まいのバンド」。たぶん、そういうものが欲しいという欲求が、ある一定数存在していて、そのはけ口が例えば「テムズ・ビート」って言われたバンドや、Good ShoesやMaccabeesあたりが担ってはいたのだけど、いまいち決め手となるバンドがいなかった。そこへ現われたのが、Cajun Dance Partyである。


何よりこのバンド、シーンに徐々に広まっていった欲求を受け入れるだけの、「物語性」「アイコン性」があるのがいい。ストロークスのジュリアン・カサブランカスへの憧れを全身で表現するボーカル、ダニー・ブルームバーグの少年性、この年齢独特の緊張感が漲るギターアンサンブル(ザ・スミスからの影響もそこかしこに感じる)、そして、そのアンサンブルに神秘のベールをかぶせる(カッコまで神秘っていうか不思議ちゃん路線まっしぐらの)紅一点キーボーディスト、ヴィッキー・フルンドの存在感。そんな5人の16歳がどこからともなく現われたっていうのも、「アン・ファン・テリブル(恐ろるべき子供たち)」っていう神話性のある言葉にぴったりなのだ。


さて、かくして登場したCajun Dance Partyの「CDデビュー」シングルは、「Amylase」(消化酵素の「アミラーゼ」です)。デモ音源の段階では、「The Race」や「Colorful Life」からは一歩劣るかなと思われたこの曲が、スタジオ・レコーディング・バージョンでは化けた。何より、各パートの音の輪郭が明確になったところがいい。イノセンスとロストイノセンスの境界線上にいる緊張感と神秘性。そんな曲を彼らはこれから一体どれだけ世に出して行くのか、楽しみでしょうがない。



<オフザケVersion>
My Rate : ★★★★★

現時点でも、そしてこれからも、世界中のヲタと腐女子を萌え狂わせるであろう「恐るべき16歳」、Cajun Dance PartyのCDデビュー・シングル、「Amylase」。反則である。大体、このジャケ写(MySpace)、どう考えてもずるいだろ。緑の回廊を走り去っていくロリータ少女(実はキーボーディスト)の図。思わず、「待ってくれ!」と多くのヲタが思ったに違いない(含む、俺)。で、キーボーディストがキーボーディストなら、ヴォーカルもヴォーカルである。華奢な体で、端正な(でもちょっとうぶな)顔立ちの16歳少年は、もはやディレイズもラリキン・ラヴも5馬身差で突き放す「ショタコン・キラー」である。そんな彼が一生懸命ストロークスのジュリアン・カサブランカスの真似をしようとし、それでもどこか甲高さが残ってしまってナヨイ声をあげた日には、ストロークス世代ど真ん中と思しき20代中盤の女子はキュン死必至だ。


このヴォーカル・ダニーとキーボーディスト・ヴィッキーの「ツイン・ヴィジュアル担当」がそろってしまった日には、もはや「アン・ファン・テリブル」とカタカナ(ないし英字)でカッコつけている場合ではない。


「恐るべき16歳(萌)」


これである。
まさに「処女と童貞のインディーロック」。これぞ「Next Untouchable」だ!


というわけで、新曲「Amylase」。スタジオ・レコーディングの成果で「Next Untouchable」よりも、さらに湿度(と萌え度)の高いデキに仕上がった。イントロからして、ずるい。この穢れなき16歳達がみんなで「1,2,1,2,3,4」と叫び、そこから、思わず遠い目をして彼らくらいの年の頃に思いを馳せたくなるような、郷愁を誘うストリングス(シンセ・ストリングスか?)が被さってくる。16歳の青い切迫感そのままに早口でヴァースを歌うヴォーカルと、心臓のあたりの神経を引っかいてくるようなギター。これを聴いたあなたはきっと、自分の心の奥底にまだ眠っている(と信じたい)ピュアさを思い出そうとするに違いない。


そんなイノセントな楽曲を、絵にかいたようにイノセントな佇まいの彼らが演る。それすなわち、「萌え」。これである。ヤバイ!


YOUTUBEに音が無さそうなので、MySpaceで聴いてください。


…なんか、書いててちょっと疲れました(笑。
にしても、ヴィキーの写真写りがあんまりよくないな…微妙に見返り美人ならぬ見返りロリータ疑惑浮上。