James Blunt 「1973」

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イギリス人がうざがるくらいオンエアされまくり、大ヒットを記録したMr.ユア・ビューチホー野郎、James Blunt。ここ日本でも、「ココロデキクウタ」とかなんとかで大ヒットしましたね。そのBlunt氏の新作から先行シングル「1973」。


あ、ここで断っておきましょう。こと彼に限って、「カッティング・エッジ」かどうかは一切不問とします。理由は簡単です。そんなこと論じる意味はないから。あの、時々さ、アブリルとか倖田なんとかとかさして、「あれはヒドイ!」とか一々指摘して、硬派アピールしようとする洋楽リスナーっているじゃないですか。でも、それって、自分をカッティング・エッジに見せるときの仮想敵の水準が低すぎません?元々、音楽の使途が違うんだからさ。何かこう、そういう発言をしてしまうところに、非常に陳腐なクリシェ的なものを感じてしまって、もう非常にルージング・エッジですよ。(ジェームズ・マーフィーの熊のプーさん的動きをまねながら)


James Bluntっていうのはね、もうこれは単純に、どこまで「お涙チョーダイできるか」、ここにかかってる。件のユア・ビューチホーもですね。あれはいわば、「海猿」なわけです。軍隊に居た男がギターを片手に、いやそれでは飽き足らず絶壁から飛び降りながら、熱唱。「君は美しい」。極限を知った男による感動演歌。ほら、「海猿」じゃん。主演男優が実は遊び人ってとこまで一緒だよ。


というわけで、新作の判断基準は一点。「ユア・ビューチフォー」を超えるお涙演歌があるかどうか。これです。


でいくと、このシングルは正直弱いなあ…
イージーリスニングとしても機能性は確かにあるんだけど、歌い上げてない。例えば、またBlunt氏が日本に来て、ミュージック・ステーションに出たとするじゃないですか。で、この歌を歌うとするじゃないですか。でも、この歌じゃ、天井から羽根は舞い降りてこないですよ。


前作が世界的に馬鹿売れだったので、余波で普通に売れるとは思うけど、前作以上には話題にならないんじゃない?これ。