Arctic Monkeys 『Favorite Worst Nightmare』

My Rate:★★★★


猿については、書きたいことがいろいろある。なぜ、このバンドにこれだけの人がついて、それが何を意味してるのかとか、そういうこと。もちろん、何を書いてみたとことで、それは書き手が勝手につくったフィクションだよね、といってしまえばもちろんそれまでだけど、人にそれだけのフィクションを書かせられるっていうのも一つアートの重要な力だと思ってます、個人的に。


まあ、細かい話はさておいとくとして、新作の感想。


随分と渋い趣味をしたバンドだよね、アークティックって・笑。シングル「Brianstorm」だけ見れば、「よりラウドになった新作!」といいたいところだけど、実はそうじゃない。


このバンドのルーツになってるのは、ブリティッシュ・ビートや60sソウル。新作は、リフで押し捲っていた前作に比べてこの側面が強くなった。古い音楽を聞くととみに思うのは、「当時の音楽というものは、今よりずっと、人間のぬくもりが感じられる」ということだけど、このバンドの鳴らす音はなぜか、いつも妙に人工的な感じがある。すぐ近くにいるはずの人間の体温が、なぜか絶対的に遠いという距離感。


このバンドのモチーフとしてよく出てくるのは、「人がいっぱいいる喧騒のど真ん中にいるのに、自分だけ妙に隔離されてる感じ」なのだけど、(前作の代表曲「I Bet You Look Good On The Dancefloor」なんてまさにその典型)このアルバムは、そんなこのバンドの持つ「視線」がより濃厚になった。Nirvanaが、普通なら「代表作は『Nevermind』でしょ」というところを、このバンドのパーソナリティーを知れば知るほど、「『In Utero』こそカートらしい」と思ってしまうのと同じように、前作よりもより濃くアレックス・ターナーの「素」があらわれているように思えてならないセカンド・アルバム。


しっかし、ある意味すっごく渋くなったはずのセカンドさえ、イギリスで馬鹿売れするってすげーな。

Favourite Worst Nightmare

Favourite Worst Nightmare



えーっと、続けて書こうと思ってたんですが、ちょっと改めることにします(スミマセン。

予定してるのは、Kings Of Leon , Bright Eyes , Maximo Park , CocoRosie , Consequenceとかそんな感じか。