Schwab 『Schwab Family System』

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まさか、アルバムが出るなんて…
2年くらい前に一部の輸入シングル取扱店でシングルが展開されていたイースト・ロンドン出身のバンド。イースト・ロンドン出身のバンドだけど「ジョンスペを毒薬がグツグツいってる鍋に入れて煮込んだ」感じのサウンド。毒薬鍋でグツグツやると、ジョンスペ系サウンドはかなり胡散臭くなってきて、ジョンスペのあの、「今なしなロックンロールとかブルースとかをあえてやってる俺ってクールでしょ」的なスノビズムが消えて、面白いことになってきます。（まあ、ジョンスペのあのスノビズムも90年代であれば、カッコよかったんだけどね。でも、2000年以降、「敢えて」の部分が時代に必要とされなくなった）というわけで、今のイギリスにはあまりいないであろう、珍味サウンド。珍味と思って楽しみましょう。(といっても、昔の方が「珍妙だったよね」とはやっぱりちらりと思ってしまったけど）

にしても、こいつをひっぱり出してきた日本のKurofune Recordsは頑張っていると思う。海外のメジャー、およびワールドワイドのネットワークを持った大手インディー・レーベルが台頭して、ちょっと評判が立ったバンドはすぐ世界的な配給のネットワークに組み込まれてしまう現代。彼らはそこから漏れたものの中から良質なものを探して紹介しようという姿勢ができてる数少ない日本レーベルだ。The Heights , The Bishops , Good Shoesそしてこのあと、Field Musicも出すけれど、皆、地味ながら良質。例えば、「プライマル・スクリーム好きなやつは、このプライマルもどき聞かせてやれ」みたいなせこく小金を稼ぐ感覚が、彼らにはない。自分で探し、自分で聴いて判断するっていう「現役早耳リスナー的なA&R」っていうのは非常に好感がもてる。そんなKurofune Recordsに★★★★

こちらはそのシングル「DJs In A Row」

シュワッブ・ファミリー・システム