Smashing Pumpkins 『Zeitgeist』

My Rate : ★★★
「イーハも、ダーシーもいないのに、何がスマパン再結成だ」――誰もが一度は思う。そして、シングルを聴く。そこで鳴っているあの懐かしのハードなギターを聴き、これがZwanでもビリーのソロでもないことに気付く。しかし、アルバムという形で聴くと、あの頃とほとんど何も変わってないSmashing Pumpkinsが再現されている点に、段々引っかかってくる。そのまんま過ぎるのだ。例えば、昨年のPearl Jam。一見すると初期から中期に入るくらいのいい時期のPearl Jamだ。だが、余分なノイズを取り除いたシャープな音像や曲のタイトさには、2000年代というフィールドの上に、年輪を重ねた末の今のPearl Jamというものを表現するという彼らなりの意図が確実に感じられたものだった。では、Smashing Pumpkinsは?おそらく、ビリー・コーガンの目の中には、他のどの文脈からも切り離された「過去の自分自身」しか存在しないのだ。その結果である、この「昔そのまんまのスマパン」には、ある種気持ちいい開き直りこそ感じられはするものの、では、「懐かしい」を超えるものがここにあるのかというと…その疑問符は、10年ちょっと前と同じあのギター・ノイズの残響の中で、グルグルと渦まいてしまうのだ。

Zeitgeist

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