KT Tunstall 『Drastic Fantastic』

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先行シングルの、まさかのラテン&コスプレ路線の笑激もさめやらぬKT”プラダを着た般若”タンストール。蓋を開けてみれば、南米進出路線かと思えばそうではなく、よくいるシェリル・クロウ(=一般名詞)にありがちな、「売れたら急に硬派アピールしたくなっちゃった症候群」だった。そういえば、この人の昨年のフェイヴァリットはCat Powerだったっけ?というわけで、かなり地味で内省的なSSW作品。件のラテン曲も、「私、色々できるんだから!」アピールの一環だったというわけだ。そして、多くのシェリル・クロウ(=一般名詞)にありがちなように、「硬派アピール」をしようとしたはいいものの、硬派になりきれていないという落ちである。どうも、このビートルズ後期を参考にしようとしてる感じは、「最近のインディーSSW」というよりは、90年代後半のそれという感じがしてしまうし。当然ながら、”Suddenly "プラダを着て” I See”のようなヒットチューンはない。NMEが彼女のファン層をごっそり奪い取るために差し向けた女性SSWの刺客Kate Nashに根こそぎファン層を奪い取られかねない、ノーガードにも程がある新作。


Drastic Fantastic

Drastic Fantastic