Album Review

Lily Allen 『Alfie EP』

My Rate : 下記参照 ひきこもりの弟への手荒い激励(説教?)ソングである表題曲をメインにフィーチャーした来日記念6曲入りEP。この手のコレクター・アイテムは作品単位で語るもんでもないので、一曲ずついきます。 1曲目:「Alfie」 「そんなゲームばっか…

Schwab 『Schwab Family System』

My Rate : ★★★ まさか、アルバムが出るなんて… 2年くらい前に一部の輸入シングル取扱店でシングルが展開されていたイースト・ロンドン出身のバンド。イースト・ロンドン出身のバンドだけど「ジョンスペを毒薬がグツグツいってる鍋に入れて煮込んだ」感じのサ…

Arctic Monkeys 『Fluorescent Adolescent』

My Rate : ★★★ 『Favourite Worst Nightmare』からのセカンド・シングル+3曲新曲。表題曲は、オールディーズ・ポップスをアークティック調に仕上げた、中々出来のいい曲で、「ピエロ仮想した強盗集団」PVもいいんだけど、いかんせん、新曲3つがいまいち。…

Feist 『The Reminder』

My Rate : ★★★★ シンプルな音、シンプルな言葉、(いや、ここでは敢えて「ありきたり」と言ってもいいかもしれない)それが、ある人、ある声によって語られる時、そのシンプルさを超えた「意味」を持つ瞬間がある。往々にして、「いい音楽」とはそういうもの…

Smashing Pumpkins 『Zeitgeist』

My Rate : ★★★ 「イーハも、ダーシーもいないのに、何がスマパン再結成だ」――誰もが一度は思う。そして、シングルを聴く。そこで鳴っているあの懐かしのハードなギターを聴き、これがZwanでもビリーのソロでもないことに気付く。しかし、アルバムという形で…

New Young Pony Club 『Fantastic Playroom』

My Rate : ★★★1/2 ニューレイブ系コンピによく登場し、NME誌面にもたびたび登場。というわけで、おそらく世間的にも「ニューレイブバンドのひとつ」という認知であろうNew Young Pony Clubのようやく届いたデビュー・アルバム。地味でB級ながら結構いい出来…

Ash 『Twilight Of The Innocents』

My Rate : ★★ まず、何の工夫もないいつもどおりのアッシュぷりに関してはとりあえず不問とする。(器用なアッシュっていうのも気持ち悪いし)で、アシュの曲である以上、ある程度はキャッチーではある。が、そのフックの決定力が落ちてる感が否めない。いく…

Chemical Brothers 『We Are The Night』

My Rate : ★ 2作連続で煮え切らないアルバムをリリースしてしまったケミカル。あろうことか、ダンス・ミュージックのシーンにもJusticeとかDigitalismとかSimianとか新興アクトも登場した今、ケミカルの煮え切らなさも一塩といった感じだが、不思議なことに…

Interpol 『Our Love To Admire』

My Rate : ★★★★ 前2作を聴きなれた耳にも、一聴して地味だと思ったが、しかし、前2作だってやっぱり一聴は地味だったのだ。相変わらず、するめ楽曲を作るのが上手い。そして、やっぱり、彼ららしい音ではあるけれど、アンサンブルは1作目と2作目が全く違った…

The Enemy 『We’ll Live And Die In These Towns』

My Rate : ★★★★1/2 そろそろ、こういう「アリーナ・ロック」なバンドがイギリスにも必要なんだと思う。昨年、キラーズがU2を模してスタジアムロック化の道をひた走ったのと同様に、2000年代のオアシスが必要な時期なのだ。そして、それにあたるのがジ・エネ…

The National 『Boxer』

My Rate : ★★★★1/2 レナード・コーエンの声には、ある種「リデンプション・ソング」的な響きというか、静謐で、しかし包容力のある声でそっと、その空間を満たしてくれるような響きがあると思う。そして、このブルックリンを拠点に活動するインディー・バン…

Air Traffic 『Fractured Life』

My Rate : ★★ BBC Sound Of 2007にも6位に食い込んでいた注目新人バンドAir Trafficのデビュー・アルバム。最初の2曲は、割とクークスとかその辺のポップなUKギターロックなのかなと思っていたら、3曲目から怒涛のピアノバラードが続く。これは、詰まるとこ…

Beastie Boys 『The Mix Up』

My Rate : ★★ やんちゃな割りに音楽的素養の厚い人達なので、一回くらいジャムバンド風のインスト・アルバムを作っても、まあそれはありとしよう。(本人達だって、お遊びみたいなものだろうし)しかし、問題なのは、そんな本気度の薄いビースティーをあろう…

Ryan Adams 『Easy Tiger』

My Rate : ★★★1/2 ライアン・アダムスが「たった一枚の作品を集中して作った」のは、一体いつ振りだろう?ひょっとして、2002年の『Gold』以来だろうか?その年、インディーロックのスター候補の一人として脚光を浴びた彼は、その後、いつも「他に脚光を浴び…

Editors 『An End Has A Start』

My Rate : ★ ここまで、モラルのない作品にも早々お目にかかれまい。2005年のデビュー・アルバムはインターポールそっくりだったエディターズ。セカンド・アルバムでは、さくっとスノウ・パトロールに変身である。ここまで、アイデンティティのない作品を遠…

Travis 『The Boy With No Name』

My Rate : ★★★ Travisというバンドに何を求めていたかで好みが分かれそうな、久しぶりの新作。本国では彼らに求められてるのは、つまるところ「大衆音楽としての歌」だ。ロックバンドという方法論への巨大な倦怠が渦巻いていた90年代の終わりから2000年代の…

Manic Street Preachers 『Send Away The Tigers』

My Rate : ★★★1/2 「シンプルなロックへの回帰」と謳われている通算8作目の新作。確かにバックはシンプルである。だが、実は「ロックンロールへの回帰」ではなく、むしろ限りなく「ロックバラード集」に近い。が、それが似合っている。シンプルなバッキング…

Black Rebel Motorcycle Club 『Baby81』

My Rate : ★★★★ これまで、イマイチな作品は一枚もないけれど、単曲レベルでも「Whatever Happen To My Rock’n Roll」を超えたのは、このアルバムが初めてでは?「Weapon Of Choice」のやらしいスライド・ギターといったら!ノイズをそぎ落とし、ルーツ・ミ…

Bjork『Volta』

My Rate : ★★★★ 「肉体性の回復」という2000年代のテーマに対し、「あー、じゃー、全部人の声でやれば良い訳ね」といった感じのサムい前作はそうとうNGだったけど、今作はやっとビョークが2000年代に答えた快作。にしても、ミカン星人にならなくてもいいと思…

Klaxons 『Myth Of The Near Future』

My Rate : ★★★1/2「ニュー・レイヴ」とは一体何だったのか。その意味として、一つ確実にあったのは、2000年代UKロック=フランツ・フェルディナンド以降・リバティーンズ以降に対するあきらめだ。2004年この2バンドによって、久しぶりの盛り上がりを見せたは…

The View 『Hats Off To The Buskers』

My Rate : ★★★★今、正しき青春ロック。これは、ここ3年くらいゾロゾロ出てきた「リバティーンズ・フォロワー」ではなく、リバティーンズでロックに夢中になり、そこからルーツを深めていった少年達の音楽である。もう、若さいっぱいのキラキラ感と、かつて青…

Kings Of Leon 『Because Of The Times』

My Rate : ★★★★1/2 このバンドが変なバンドだというのは、もう十分に知っていたはずだった。2003年デビュー作の、「サザンロック+ストロークス」っていうのも相当天然だったし、2005年のセカンドアルバムでは、ポストパンク系のバンドとの交流に感化されて…

Arctic Monkeys 『Favorite Worst Nightmare』

My Rate:★★★★ 猿については、書きたいことがいろいろある。なぜ、このバンドにこれだけの人がついて、それが何を意味してるのかとか、そういうこと。もちろん、何を書いてみたとことで、それは書き手が勝手につくったフィクションだよね、といってしまえば…

Bloc Party 『Weekend In The City』

My Rate : ★★★1/2 昨年のロンドンでの爆弾テロを目の当たりにし、自らのマイノリティー性を想起して、「もっと世代を代弁できるバンドにならねば」とスケールアップを求めたセカンド・アルバム。手本にしたのは、レディオヘッドらしいんだけど、さすがにレデ…

Clap Your Hands Say Yeah 『Some Loud Thunder』

My Rate : ★★★1/2 結局のところ、このバンドは「超・ド天然・バンド」だったということを証明してしまったセカンド・アルバム。前作のブレイクなんてどこ吹く風で、ディランやビーチ・ボーイズ的なアプローチを見せたところは面白いし、このバンド独特の「ユ…

The Shins 『Wincing The Night Away』

My Rate:★★★★1/2 この後に、Arcade Fire全米2位、Modest Mouse全米1位、Bright Eyes全米4位というUSインディー怒涛の快進撃が起こるんだけど、やっぱり、彼らの全米2位が一番驚いた。なにせ、どう考えても「アメリカ的」ではないナードなインティー・ポップ…